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ポンパドール夫人のため息

「福寿海無量」

なんぞやと思った方は、早速ググってみてくださいな。

「福寿海無量」とは、『法華経』のなかにある「観世音菩薩普門品」の一節で、「しあわせをもたらす功徳の量が海のように広大である」ということ。

あれはワタクシがまだ二十歳、肌が水をはじくを自然にやってのけていたころでしたわ。

お誕生日のお祝いに、この言葉を先輩にいただいたのです。

仏語など知識のかけらもないワタクシにとって……。あら、フランス語ではなくてよ。

仏教用語です。

最初はもちろん、「なんぞや?」でした。

すぐその場でググりまして、その深い意味にシビレたというわけなの。

だって誕生日メッセージの定例文「お誕生日おめでとう」「一年を幸せに」「生んでくれた親に感謝」とは、まるで違った文字の配列でしたから。

お決まりの文しか今まで目にしたことなかった小娘の私には新鮮でした。

「海のように広いしあわせが……」。素敵ではありませんか?

仏教が伝来したのは飛鳥時代552年ころだそうで、今から1500年も前に、聖徳太子さまの面々が仏典を輸入され、こんな素敵な言葉お読みになって何と思われたことでしょう。

悠久ロマンス……。

以来、友人のお祝い事には私もこの言葉を添えるようになりましたの。

後にこの一節が、すべての衆生をお救いになられる救観音様のお徳とお慈悲、そしてそのお力を描いているくだりだということがわかりました。

観音様、ありがとうございます。

千代に八千代に続いていく毎日に、幸せの海に漂うすべての人に観音様のお徳が伝わりますように……。

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